アルコール依存症を克服した60歳主婦の奇跡の備忘録

アルコール依存症がテーマの映画「失われた週末」をアル中が見てみたよ

2021/05/29
 
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ド貧乏な家に生まれ、両親は離婚して更にド貧乏。やっと小金持ちの男と結婚できたと思ったらちょっとアウトローな男だった。 幼少期から、アル中になる素質、深い闇はあったのかもしれないけれど、結婚生活のさなか、キッチンドランカーから本格的なアル中に。子供3人育てながら毎日お酒、飲んでました…。あれからウン十年、今は全く飲んでいません。少しだけ幸せになれました。

こんにちは、アルコール依存症のバービーです!

いきなりですが、あなたの周りにアルコール依存症・アル中さんていますか?

「いやいやアル中は俺(私)だけだな~」

なんていう人は、アルコール依存症がテーマの映画やドラマを見るのもよいかもしれません。

大概、自分のことは冷静に見れないし、アルコール依存症という恐ろしい病を客観的に見ることができるのです。

今回は1945年のアメリカ映画「失われた週末」というアルコール依存症がテーマの映画を見てみましたよ。

さて、その内容は如何に?

※ネタバレあり

「失われた週末」前半

映画「失われた週末」はアルコール依存症でも、かなり症状の進んだ自称作家の『ドン・バーナム』という33歳の男が主役。

物語は、ドンの離脱症状から始まります。

出典:ウイキペディア Wikipedia

離脱症状

かなりひどいアルコール依存症の『ドン』

それを散々見て知っているドンの兄『ウィク』はどうにかして弟から酒を切り離そうと

この週末はドンを連れて田舎に旅行しようと準備をしています。

ドンのアルコール問題を考えてウィクが計画したのです。

ところが、ドンの頭の中は酒一色、なんてったって10日も禁酒しているんですもの。(らしい)

ウィクの目をぬすんで酒を飲もうと窓の外に吊るしてあるウイスキーが気がかりでしょうがないドン。

ウィクの目をごまかすために用事を頼んで部屋から追い出したい。

しかし、ウィクもそんな弟の作戦は慣れっこに。

ドンは飲みたくて飲みたくてウズウズしています。

そこへやって来たのがドンの恋人『ヘレン』。

ヘレンは、これから演奏会に行くところだと言います。

早く酒を飲みたいドンは、旅行の時間はズラしても大丈夫だからウィクにヘレンと演奏会に行くようにすすめるのです。

だって、そうすれば一人になれてゆっくり酒を堪能できるから!

ところが、ウィクが吸っていたタバコを窓の外に投げ捨てたつもりが上手く落ちなくて確認しに行くと

窓の外にはウイスキーのボトルが紐で吊るされていたのです...。

バレてしまった...

責めるウィク、とぼけるドン。

こんな時はアル中さんのブラックアウトが便利です。

「覚えてないんだ、たぶん自分がやったのだろうけどいつやったか覚えてないんだよ」

ウィクはウイスキーを全部、洗面所に流してしまいます。

アル中さんは家の中のありとあらゆるところに酒を隠します。

米びつ、トイレのタンク、洗濯機の中...etc

私も旦那の分かりそうもない場所に隠したつもりだったのですが、結局は見つかってしまうのでした(~_~;)

強い飲酒欲求

ドンはウィクとヘレンが演奏会に出かけると、隠してあるかもしれない酒を探しまわります。

あるはずない、あるかもしれない、心臓はバクバクです。

は、早く、早く酒を入れないと死んでしまう...

酒はどこを探しても見つかりません。

そこへ、ヘルパーが掃除をしに来ました。

「今日はいいから」と言うドン。

ヘルパーは「今日は給料をもらう日だ」と伝えます。

ヘルパーにウィクがどこからお金を出しているか聞きお金を手に入れることに成功。

早速、胸を弾ませてお酒を飲みに行くドンです。

もう、体中の細胞が喜んで嬉しくてうれしくて既に報酬系であるドーパミンが分泌されているかのような気分です。

酒屋に着くとウイスキーをオーダーしますが、店主に断られます。

「お兄さんからつけでは売るなと言われているのです」と。

そこでお金を見せつけて一番安いウイスキーを2本購入。

一番安い酒を買ってまで飲む、質より量の典型的なアル中。

でも一応、プライドがあるのか「これはライターの燃料だ」と見栄を張ります。

酒屋では兄のウィクが金を出しても売るなと言っていたようですが、客商売はそうはいかないようです。

酒を買い、外に出ると人の目が気になります。

きっとドンは近所で有名な「アル中」なのでしょう。

酒を買ったのに家まで待てないドンはバーに寄り道。

バーでも飲ませるわけにはいかないと断られますが、お金を払えば仕方がありません。

どんなに禁酒、断酒していても一杯飲んでしまえば終わりです。

もう歯止めは利きません。

酒場の店主だからこそ、アル中をたくさん見ているのに客なら断れませんよね。

皆さんは(出禁)になったことありますか?

ドーパミン出まくり

バーで飲んでしまったドン。

飲んじまえばこっちのもんだ、とばかりに意気揚々と語り始めるドン。

ドーパミンが出まくりのようです。

時間を忘れて飲んでしまったため家にはウィクとヘレンが待っています。

家にいなければ飲んでしまっていることが明らかだと判断したウィクは一人で出かけてしまうのです。

しかし、恋人のヘレンはあきらめる様子はありません。

ドンは病気なんだから一人にしてはダメだと言いドンの帰りを待つのですが...。

どうにかヘレンの目をくぐり抜けて家に帰り一晩をやり過ごします。

まだ朝で開店前のバーに飛び込むドン。

そこでガールフレンド『グロリア』に会いますが、ドンは女より恋人より兄弟より何より酒が、お酒が一番大事なのです。

ドンは作家としての熱意を酒の力を借りてバーの店主に語ります。(フラッシュバック状態)

出会った時もアルコール依存症

ドンとヘレンが出会った時はもうドンはアルコール依存症でした。

3年前のオペラ鑑賞で演者が飲んでいる酒が飲みたくて飲みたくてしょうがないドンは会場を抜け出して外に出ようとします。

オペラ会場のクローゼット係がドンとヘレンのコートを間違えたことから2人が出会うのですが...

そのドンのコートのポケットにはウイスキーがボトルのまま仕込まれていました。

ところが、ちょっとしたミスでボトルを落としてしまい割ってしまうはめに。

でも、ヘレンはまだドンがアルコール依存症だなんて知る由もありません。

ドンもヘレンと知り合い、好意を持ち始め酒をしばらく断つことができるのですが...

私も酒を飲んでいる頃は恥も外聞もなく、また重さも感じないのか(笑)

ウイスキーの瓶をボトルのまま持って歩いたことがあります。

もう、酒さえ飲めればどうでもいい、何でもいいんです!

ついに盗みまで

ドンもヘレンを愛するようになり、ヘレンの両親に会うことに。

待ち合わせ場所でヘレンの両親が男の経歴を気にしていることを耳にしたドンは、その場所から離れます。

自分に自信がなかったのでしょう。

そこからまた一気に墜落していくドン。

庇う(かばう)兄ウィクは共依存になるのでしょうか。

ヘレンはドンに酒をやめさせようと闘います。

小説を書こうとするドンですが酒がキレると筆がすすみません。(実際はタイプライター使用)

また酒を探し始めます。

私もそうでしたが、酒を隠してもブラックアウトするため、どこに隠したのか思い出せないのです。

酒が見つけられないドンはクラブに行きますが会計が足りない。

隣にいたカップルの女のバッグからお金を抜き取ってしまいます。

ついに盗みまでして飲んでしまうのです。

しかし、ものごとはスムーズに回りません。

警察沙汰になりそうでしたが、開き直るドン。

クラブを追い出されると外にいる人達が白い目で見ているような気がするのです、妄想です。

家に帰り自己嫌悪に陥ったんでしょうか、落ち込んでいるようですが

隠してあった酒が見つかり一気に飲み干します。

私も含めてですが、何でゆっくりとチビチビと飲めないのでしょうか、まるでお酒の飢餓状態です。

「失われた週末」後半

もう家には一滴たりの酒もお金もない。

この後のドンの運命は...

依存症病棟に入るも

死ぬほどつらいドンは、酒の次に大事なタイプライターを質に入れようと命からがら外に出ます。

ところが、ユダヤ人の祭日で質屋はどこも休み。

酒を身体に入れないと苦しくて苦しくてしょうがないのです、分かります。

フラフラしながら馴染のバーで何とか給油する(酒をもらう)ことができました。

その後、ガールフレンドの家に行きお金を借りることができたのですが

帰りに階段を踏み外して病院に運ばれます。

運ばれた病棟は鍵付きの依存症病棟。

たくさんの依存症患者がいます。

依存症病棟の看護師はドンの症状を一発で見越して、ドンはまだアルコール依存酒でも初期だと言います。

だけど、今後は幻覚で色々なものが見えるようになると。

何とか病棟を抜け出そうと考えるドンですが、刑務所のように看守がいて抜け出せそうもありません。

その夜、ほかの患者が幻覚で暴れた隙にドンは脱走に成功。

幻覚に悩まされる

ドンの家ではヘレンがドンの帰りを待っています。

家の大家がドンをけなしますが、ヘレンはドンを信じているのです。

何とか病院の脱走に成功したドンは早朝にも関わらず開店している酒屋を探します。

お金を持ってないドンは酒屋で強盗をして酒を手に入れます。

またもや酒のための犯罪に手を染めてしまったドン。

家に帰り酒をあおり眠るのですが、夢なのか幻覚なのか壁にはネズミ、天井にはこうもりが飛んで見えます。

悲鳴をあげるドン、それを聞いた大家がヘレンに連絡。

ヘレンが駆け付けるとドンは憔悴しきった様子です。

あきらめない恋人

ヘレンは勇敢な女性です。

アルコール依存症である恋人ドンを決してあきらめません。

ドンは決心したようにヘレンのコートを持ち、出かけます。

また酒でも買いに行くのでしょうか。

追いかけるヘレンが見たのは質屋に入るドンでした。

しかし、ドンがコートと交換したのは現金ではなく以前質入れした銃だったのです。

死ぬ決意をしたアルコール依存症

恋人ヘレンのコートを質入れして銃を持ち帰ったドンは自殺を決意したようです。

心配したヘレンはドンに酒をすすめます。

「死ぬよりまし」だと。

皆のため、自分のために死にたいというドン。

ヘレンはどうにかドンに生きてやり直して欲しいと願います。

何としてでもドンに立ち直ってもらいたいヘレンは、どうにもならないと苦しむドンに

「まずはお酒を断つこと、やめなくちゃ何の解決にもならないのよ」

「酒さえやめれば夢はかなう」と説得します。

ドンの夢は小説家。

アル中に勝った恋人の愛

ドンのアルコール依存症を回復させようと頑張るヘレンはドンを決してあきらめませんでした。

ドンの実体験を小説にすることを説得します。

そこにタイミングよくあらわれたのがバーの店主。

店主はドンが手放したタイプライターを拾い持ってきてくれたのです。

ドンにはアルコール依存症ながらも一抹の人の心が残っていたのでしょうか。

ヘレンの力説とタイミング良くあらわれた人のいいバーの店主のおかげで断酒を決意するのです。

そして、自分の実体験を小説にしてこの「週末の出来事」を伝えようとしました。

見事にヘレンの愛がアルコール依存症のドンを変えることができたのです。

映画を見終えて

この「失われた週末」を見ていると、飲んでいたころの記憶が鮮明によみがえって来て恐ろしくなりました。

これは体験したことがある人ではないと分からないと思います。

お酒が飲みたくて飲みたくてどうしょうもない感覚は何にも例えられないでしょう。

今時、心底お腹が空くこともないでしょうし、喉が渇くこともないでしょう。

でも、そんな生っちょろい感覚でもありません。

空腹や喉の渇きではなく、全身、全霊から欲しているのです。

それが手に入らない時の絶望は死に匹敵します。

身体的に、精神的にどうしょうもないのです。

そんな苦しい状態から逃げ出すにはもう、死ぬことしか考えられなくなるのも納得でしょう。

そこまで追い詰められてしまう、かわいそうな心。

それを救ってくれるのはあきらめない心を持った身近な人の支えでしょう。

この映画ではドンの恋人ヘレンでした。

ヘレンのあきらめない愛で、ドンのアルコール依存症を更生させることができたのです。

「失われた週末」はアルコール依存症の実態を描きながらも、決してあきらめてはいけないこと

立ち直ることは可能なのだと教えてくれる映画でもありました。

まだ見てない方は≪prime video≫でも見ることができるのでぜひ、ご覧くださいね。
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今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

皆さまの身体と精神の健康を心からお祈り申し上げます。

 

 

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ド貧乏な家に生まれ、両親は離婚して更にド貧乏。やっと小金持ちの男と結婚できたと思ったらちょっとアウトローな男だった。 幼少期から、アル中になる素質、深い闇はあったのかもしれないけれど、結婚生活のさなか、キッチンドランカーから本格的なアル中に。子供3人育てながら毎日お酒、飲んでました…。あれからウン十年、今は全く飲んでいません。少しだけ幸せになれました。

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